中央競馬を代表するGI競走のなかでも、中山競馬場芝2500mほど枠順のバイアスが色濃く出る舞台はない。スタンド前の上り坂途中からスタートし、コーナーを6回通過するタイトな設計。外枠を引いた馬が外々を回らされ続ければ、それだけで数馬身分の不利を背負うことになる。
しかし、近年の馬場状態やペース設定を紐解くと、外枠からの強襲が完全に不可能なわけではない。前半が超スローペースに落ち着いた場合、向こう正面から一気に押し上げる「捲り」の競馬が炸裂するシーンもしばしば見られる。枠の不利を個々の能力と展開の妙でいかにカバーするか。騎手の咄嗟の機転と判断力が、番狂わせを生む引き金になる。