彼女のキャリアを語る上で避けて通れない金字塔が、社会現象を巻き起こした『DEATH NOTE』の死神・レム役だ。骨と包帯を纏った無機質かつグロテスクな外見の内側に、対象への深い慈愛と哀愁を秘めた難役。ダーク・ファンタジーの金字塔において、彼女が提示した低音のキャラクターボイスは、単なる冷徹な人外ではなく、どこか神聖さすら漂わせる崇高な響きを持っていた。
声色の奇抜さに頼るのではない。行間にある感情の揺らぎを精密にすくい取るアプローチこそが、日本アニメーション産業の歴史に刻まれる名演を生み出した原動力だ。