私立高校の実質無償化によって「公立離れ」が進むと予測された当初の言説とは裏腹に、トップ層における文理学科の人気は衰えるどころか、競争の質が劇的にシビア化しました。背景には、2つの構造的要因が存在します。
第1の要因は、圧倒的な大学合格実績がもたらす強力なブランド力です。北野高校偏差値と進学実績の関係を検証すると、京都大学への現役合格者数において全国1位を幾度となく獲得し、東京大学や国公立大医学部への合格者数でも私立中高一貫の難関校と互角以上に渡り合っています。府内の教育関係者は次のように内情を明かします。
「私立無償化で中堅〜上位私立の専願者は確かに増えました。しかし、東大・京大・国公立医学部を本気で狙う家庭にとっては、灘や東大寺学園、甲陽学院といった超難関私立の併願先、あるいはそれらを辞退してでも進学したい公立の受け皿は、北野や天王寺以外にあり得ないのが現状です。結果として、最優秀層が公立トップ校に純度高く集約されています」(大手予備校・進路指導担当者)
第2の要因は、入試制度における「英検利用率の極大化」です。大阪府公立高校入試の英語C問題(高度な記述力を要する難問)において、英検2級取得者は当日点を80%(72点)、準1級取得者は100%(90点満点)へと読み替える措置が定着しています。2026年現在の文理学科受験において、北野や天王寺の合格者のうち英検2級以上を保有している割合は実に9割を超え、近年では「中3の秋までに英検準1級を取得して満点を確定させる」ことがトップ層の事実上のスタンダードになりつつあります。英語での失点リスクをゼロにした上で、数学C問題の難問でいかに1点をもぎ取るかという、超ハイレベルな精密戦が繰り広げられているのです。
また、天王寺高校評判ネットの反応をSNSや掲示板でリサーチすると、「徹底した文武両道で体育祭や陸上競技大会の熱量が桁違い」「自由闊達だが課題と小テストの密度は凄まじい」といった生の声が溢れています。授業スピードの速さに圧倒されながらも、高い知性と自主性を併せ持つ仲間と切磋琢磨できる環境が、生徒や保護者から熱狂的な支持を集め続ける原動力となっています。