「思い出なんかいらん」という言葉は、一見すると過去の努力や仲間との軌跡を冷淡に切り捨てているかのように響く。しかし、その深層にあるのは感傷の否定ではなく、極限状態における極めて合理的な勝利への執着だ。昨日までの勝利は今日の勝利を保証しない。昨日うまく決まったスパイクも、今日のコートで通用するとは限らない。過去を慈しむ時間は引退した後にいくらでもあるという冷徹な割り切りが、チームを前へ前へと突き動かす。
この横断幕の言葉が象徴するのは、常に変化し、進化し続けなければ頂点には立ち続けられないというスポーツの残酷な真理だ。守りに入った王者は脆い。攻め続ける挑戦者であり続けるために、彼らは昨日の自分たちすら脱ぎ捨ててコートに立つ。