こうした先端技術の研鑽と平行して、建築・インテリアデザインの現場においても劇的な意識改革が起きている。かつてのサニタリー空間にありがちだった「物陰に隠す」という設計思想から、空間全体のインテリアと美しく調和させる「魅せる」サニタリーへの全面的な移行だ。
壁面埋め込み型のスリムなシルエットや、陶器ならではの質感を研ぎ澄ませたマット調のカラーバリエーションは、ラグジュアリーホテルや最新のオフィスビルにとどまらず、ハイエンドな住宅空間へも浸透し始めた。給排水管や各種センサーを内部に完全に隠蔽したノイズレスなフォルムは、建築家にとって意匠表現の自由度を劇的に広げる重要なエレメントとなっている。