茶聖・千利休が確立した侘び寂びの心。それは無駄を削ぎ落とし、素材そのものの美を突き詰める哲学だ。竹翠園の茶園では、利休の教えを現代の農学と融合させた極めて特殊な土壌改革が進められている。化学肥料に頼らず、有機物と自然の微生物群を最適化した土造り。そこから育まれる茶葉は、驚くほどの生命力を秘めている。
「自然の声を聴き、茶の樹が求めているものだけを与える」。茶師たちのそのこだわりこそが、過酷な天候を乗り越えて最高峰の香りを生み出す原動力だ。日照時間を分単位で調整する覆下栽培(おおいしたさいばい)の手法にも、一子相伝の技が惜しみなく注がれている。