文化庁が毎年発表する「国語に関する世論調査」や、国立国語研究所による現代日本語のコーパス分析からは、慣用句の解釈をめぐる世代間のズレが浮き彫りになっている。若手層においては「大事をとる=体調を崩したときの単なる休み連絡の定型文」と捉える傾向が強いのに対し、ベテラン層や経営幹部層は「将来のトラブルを未然に防ぐ慎重な意志決定」という文脈を重視する。
このギャップを認識していないと、若手社員が「熱はないですが大事をとって休みます」と軽くチャットで送った際、上司が「仕事を軽く見ているのか」と過剰に反応してしまうようなすれ違いが生じる。言葉そのものの意味を知るだけでなく、その言葉が相手の世代や立場にどう響くかを想像するリテラシーが不可欠だ。