今回の映画作品が引き継いだ重要なモチーフの一つが、「永遠の命」や「禁断の食糧」をめぐる神話的なテーマである。島編などで見られた人魚伝説を彷彿とさせる要素が、劇場アニメならではの幻想的かつ不気味な美術背景によって美しくも恐ろしく昇華された。
何かを得るためには、必ず同等の大切なものを差し出さなければならないという等価交換の原則。無邪気に食べ物を貪るちいかわたちの姿と、その背後で密かに支払われている犠牲の対比は、童話が本来持っていた残酷な教訓を現代に蘇らせている。可愛いキャラクターたちのポップな色彩が、かえってそのダークメルヘンな世界観の深さを引き立てる結果となっている。