写真家・篠山紀信のカメラアイは冷徹でありながら、息をのむほど情熱的だった。ロケ地に選ばれたのは、アメリカ・ニューメキシコ州の古都Santa Fe。乾いた大地、突き抜けるような青空、日干しレンガの土壁が織りなす陰影。その荒涼とした風景の中に、18歳の少女がただ一人、無防備かつ堂々と佇んでいた。
篠山が引き出したのは、大衆が消費する記号としてのアイドルではなく、生々しいまでの生命力と彫刻のような肉体美だった。日差しが肌をなでる感触、風が髪を揺らす刹那。そこには卑猥さの欠片もなく、厳格な美意識に裏打ちされたアート写真集としての純度の高さだけが残されていた。篠山は被写体の瑞々しさを、永遠のイコノロジーへと定着させたのだ。