顔の皮膚は他の部位に比べて皮膚が薄く、表皮のすぐ下にある真皮層に無数の毛細血管が網の目のように張り巡らされています。通常、体温が上昇すると自律神経の働きによってこれらの血管が拡張し、血液を多く流すことで外部へ熱を逃がそうとします。しかし、何らかの異常で血管が開きっぱなしになったり、熱の放散が追いつかなくなったりすると、顔に熱がこもる原因となり、皮膚表面から血流が透けて赤く見える現象が生じます。
この体温調節の狂いを生み出す大きな要因が、体温調節機能低下の理由として指摘される生活リズムの乱れや運動不足、過剰な空調環境です。日常的に汗をかく機会が減ると、本来備わっている発汗による気化熱冷却が正常に作動しなくなります。結果として、熱の逃げ場を失った血液が頭部や顔面に集中し、激しいほてり感を生み出します。
さらに見逃せないのが「冷えのぼせ」と呼ばれる病態です。東洋医学でも古くから重視される現象ですが、現代医学的にも下半身の血流が滞って冷えている一方、代償作用として上半身に血液が偏調して滞留する血流不全の一種と説明されます。「手足の先は氷のように冷たいのに、顔と頭だけがサウナに入ったように熱い」というアンバランスな不快感は、まさにこの循環不全が引き金となっています。