SNSの投稿や大手知恵袋、賃貸トラブル相談窓口に寄せられるリアルな声を精査すると、「水漏れそのもの」よりも「発見の遅れが引き起こした二次被害」に頭を抱えるケースが圧倒的多数を占めています。
「洗面台の下から変な臭いがすると思って奥の洗剤ストックを退けたら、底板がブヨブヨに腐って底が抜けていた」「ポタポタという小さな音を気のせいだと思い込み、数カ月放置した結果、白アリと黒カビの温床になっていた」という体験談は後を絶ちません。住宅の内装建材に使われる合板やパーティクルボードは湿気に極めて弱く、水分を吸入すると膨張・剥離を起こして本来の強度を永久に失います。一度腐朽菌が繁殖した床板は、表面を乾燥させても再利用できず、大工工事を伴う解体・張替えが必要となります。
さらに深刻なのが、集合住宅における「賃貸アパート水漏れ責任」をめぐる金銭的・法的な係争です。賃貸借契約において入居者には「善管注意義務(善良なる管理者の注意をもって使用する義務)」が課されています。配管の自然劣化自体は建物の経年劣化としてオーナー側の修繕義務に属するケースが一般的ですが、「水漏れに気付いていた、あるいは容易に気付き得たにもかかわらず放置し、階下への浸水や床板腐食を拡大させた」と判断された場合、過失割合が借主側に大きく傾き、数十万円から数百万円規模の損害賠償請求へと直結します。