「パパ活で受け取ったお金は、年間110万円以下であれば贈与税がかからない」という言説は、ネット掲示板やSNS上で最も頻繁に見られる誤解の一つです。税法上の実態を紐解くと、この認識には決定的な二重の誤りが存在します。
第一の誤りは、パパ活で得た金銭がそもそも税法上の「贈与」とみなされるか否かという点です。贈与とは、民法第549条において「当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方がこれを受諾すること」と定義されています。つまり、見返りを一切求めない純粋なプレゼントでなければなりません。食事への同伴、デート、身体的関係の提供など、何らかの役務の対価として支払われた金銭は、税務上は贈与ではなく対価性のある所得(原則として雑所得)と判定されます。
第二の誤りは、「手渡し現金であれば税務署は把握できない」という過信です。現金の受け渡しそのものに電子的記録が残らなくても、資金の出所である相手側の資金移動や生活実態の乖離から調査の手が伸びます。税務当局は個人の預金口座や高額消費の動向を広範に追跡できる権限を持っており、タンス預金として自宅に保管していたとしても、不動産の賃貸契約、高級ブランド品の購入、クレジットカードの引き落とし口座への入金といった行動パターンから不自然な資金の存在を割り出します。