「小樽 21世紀」という言葉が教育・スポーツ関係者の間で熱を帯びた象徴的な出来事が、道内屈指の伝統校である北海道小樽潮陵高等学校をめぐる選抜高校野球「21世紀枠」の推薦劇です。創立120年を超える歴史を誇り、数多くの政財界人や文化人を輩出してきた名門野球部が、なぜ21世紀枠の推薦対象として脚光を浴びたのでしょうか。
その背景には、厳冬期の厳しい気候条件と人口減少に伴う部員不足という二重苦がありました。小樽の冬は連日猛吹雪に見舞われ、グラウンドは数メートルの雪に覆われます。限られた体育館や室内練習場を他部と分け合い、雪上での基礎トレーニングを工夫しながら秋季全道大会で上位進出を果たした戦績は、高校野球界において極めて高く評価されました。
地域住民やOBにとって、潮陵高校の健闘は単なるスポーツの勝敗を超え、人口流出が続く小樽の底力を全国に示す象徴でした。高野連関係者の選考理由にも「困難な練習環境の克服と、文武両道を重んじる地域教育の模範」と明記され、地元紙でも連日大きく報道されました。この挑戦の軌跡は、新世紀を迎えて活路を模索する街全体の精神的な支柱となったのです。