医療系国家資格の中でも、これほどまでに「目指すべきではなかった」「早く脱出するべきだ」と警鐘が鳴らされる職種は極めて異例です。その最大の要因は、厚生労働省の「衛生行政報告例」や日本歯科技工士会の実態調査にも如実に表れている歯科技工士の離職率と真相にあります。
専門学校や大学の歯科技工士養成校を卒業した新卒者のうち、就職後わずか数年で業界を去る割合は約8割に達すると指摘されています。せっかく時間と学費を投じて国家資格を取得したにもかかわらず、20代の若手が次々と戦線離脱を余儀なくされているのが実態です。この極端な早期離職の結果、現在の就業技工士の50歳以上が約半数を占めるという歪な逆ピラミッド構造が定着しました。
知恵袋やSNSなどの掲示板には、「徹夜で模型を削り続ける日々に限界がきた」「同期10人のうち、5年後に残っていたのは自分1人だけだった」といった悲痛な証言が溢れています。この現実は一時的な風評被害などではなく、医療制度の歪みと閉鎖的な職人気質が長期にわたって若手をすり潰してきた結果生じた、歯科技工士業界の闇と人手不足の必然的な結末です。