映画『クローズZERO』が公開された2007年当時、山田孝之の年齢は23歳から24歳を迎える時期でした。それまでのキャリアで築き上げた「繊細で影のある美青年」というパブリックイメージを粉々に打ち砕き、鈴蘭男子高校の頂点に君臨する「芹沢軍団」のトップ・芹沢多摩雄としてスクリーンに現れた瞬間、映画界には激震が走りました。
長髪をラフに束ね、小柄な体躯からは想像もつかない重厚な威圧感を漂わせるその佇まいは、まさに「クローズの山田孝之がかっこいい」と評される象徴的な姿です。当時のメイキング映像や映画雑誌の公式インタビューにおいて、三池崇史監督は「山田孝之という役者が持つ底知れない怪物性」を絶賛していました。言葉少なに拳一つで周囲を心服させるカリスマ性は、単なる不良役の枠を完全に超越していたのです。