お札をそのまま入れられない小さなポチ袋(お年玉袋やお車代袋)を使用する際、折り方を巡って現場で最も多くの混乱が発生しています。適当に二つ折りや四つ折りにするのは不作法にあたります。
基本となる三つ折りの折り方は極めて明確です。
- お札の表面(肖像画がある面)を上に向けて机に置く。
- まず、左側から3分の1を内側へ折る。
- 次に、右側から3分の1を左側へ重ねるように折る。
この手順を踏むことで、裏返した際に右側の端が手前に重なり、お札を開くときに肖像画が自然と広がる構造になります。そしてポチ袋へ入れる際は、ポチ袋の表側とお札の表側を一致させ、肖像画の頭部が上(袋の口側)に来るよう天地を正しく差し込みます。開けた瞬間に肖像画が逆さまになっていたり、肖像画が背を向けていたりするのは、受け取り手の心理を考慮していない雑な包み方とみなされます。
また、日本全国の寺院関係者や葬儀社の現場から「最も頻繁に間違えられている」と指摘されるのが、お布施袋へのお札の入れ方です。葬儀や法要の場で行われるため、「香典と同じように肖像画を裏・下向きにする」と思い込んでいる方が後を絶ちません。
しかし、寺院・僧侶関係者の公式見解や儀礼指導によると、お布施は「読経や戒名授与に対する感謝の謝礼」であり、遺族へのお悔やみ金(香典)ではありません。感謝を捧げる行為は慶事と同義の扱いとなるため、お札の肖像画は「表・上向き(封を開けて最初に見える向き)」に入れるのが唯一の正解です。この混同は非常に多いため、大人の教養として正しく区別しておく必要があります。