日本人宇宙飛行士の待遇を客観的に評価するためには、アメリカ航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)など、世界各国の主要宇宙機関との給与比較が不可欠です。各国の宇宙機関が公表している規定や給与テーブルを照らし合わせると、各国の法制度や公務員給与体系を色濃く反映した格差が浮き彫りになります。
NASA宇宙飛行士の給与は、米連邦政府の統一公務員基準である「General Schedule(GS給与表)」によって厳密に定められています。軍出身者か民間出身者かを問わず、基本的にはGS-13から最高ランクのGS-15の枠組みで処遇されます。さらに、ジョンソン宇宙センターが位置するテキサス州ヒューストン地域の物価調整手当(地域手当)が約30%超上乗せされます。連邦法の定めにより公務員給与には法定上限が設けられているものの、ベテランのGS-15ステップ10クラスになれば年間20万ドル以上(約3,149万円)に達します。
一方、欧州のESA宇宙飛行士は国際機関の職員扱いとなるため、各国の国内法に基づく所得税が免除されるという特例措置が存在します。ドイツ・ケルンの欧州宇宙飛行士センター勤務のA2ランクで手取り月額約118万円(年間手取り約1,400万円以上)と公表されており、額面年収に換算すると2,000万円以上の価値に相当します。
これら欧米のトップ機関と比較すると、JAXA所属の日本人宇宙飛行士の給与は、日本の給与水準や公務員賃金のベースに縛られているため、額面上の絶対値としては控えめな数字に留まるのが実情です。