2023年のBL実写化シーンを語る上で欠かせないのが、俳優陣の覚悟と制作陣の美学が生み出した圧倒的なケミストリーです。
年初の主役となった『美しい彼 シーズン2』では、凪良ゆうの原作世界を酒井麻衣監督が完璧な映像美で構築。無口でネガティブな平良一成(萩原利久)と、圧倒的カリスマ性を誇る清居奏(八木勇征)の歪で純粋な力関係は、劇場版映画への期待感を最高潮に押し上げました。公式インタビューや舞台挨拶でキャスト陣が「役が身体に染み付いて離れなかった」と語った通り、二人の視線の交錯や沈黙の間の取り方は、テレビドラマの枠組みを超えた芸術性を放っていました。
そして同年8月、深夜のSNSを激震させたのが『体感予報』です。爽やかイケメン気象予報士の裏の顔を持つ瀬ヶ崎瑞貴(樋口幸平)と、崖っぷちエロ漫画家の棚田葉(増子敦貴)。「明日は晴れなので、この男は俺を抱くだろう」という衝撃的な導入から始まる本作は、原作漫画のシャープな艶っぽさを忠実に再現しました。制作現場の綿密なリハーサルと、特撮作品出身である両主演の身体表現の高さが結実し、放送日にはX(旧Twitter)で世界トレンド上位にランクイン。アジア圏を中心とした海外配信プラットフォームでも記録的な再生回数を叩き出しました。
さらに『みなと商事コインランドリー2』では、前作で築き上げた湊晃(草川拓弥)と香月慎太郎(西垣匠)の愛おしい距離感が、10年の年齢差を超えてより深淵に描かれました。続編特有のハードルを軽々と飛び越え、ファンコミュニティから「原作へのリスペクトとオリジナル展開の塩梅が奇跡的」と絶賛された背景には、キャスト同士の強固な信頼関係が存在していました。