『川とノリオ』衝撃の結末と教科書が隠した戦争の真実を徹底解剖

『川とノリオ』衝撃の結末と教科書が隠した戦争の真実を徹底解剖

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国語の教科書で本作に出会った読者の多くが、今なお鮮明に記憶しているのが、あまりにも唐突で残酷なラストシーンです。物語の骨格となる川とノリオのあらすじを辿ると、作者が仕掛けた周到なコントラストが浮かび上がってきます。

主人公のノリオは、村を流れる清らかな川と泳ぐことが何よりも大好きな、天真爛漫な少年です。川はノリオにとって単なる遊び場ではなく、母の温もりに包まれる場所であり、出征した父親との絆を確かめる神聖な空間でもありました。「大きくなったらもっと上手に泳げるようになる」と無邪気に信じるノリオの頭上にも、激化する戦争の影は容赦なく忍び寄ります。

やがてノリオの元に届いたのは、父親の遺骨が入っているとされる小さな白木の箱でした。泣き崩れる母親の姿を前に、幼いノリオはその「死」という現実を到底受け止めることができません。父の不在という耐え難い現実から逃れるように、ノリオはますます川へと惹きつけられていきます。

そして物語は、多くの小学生読者の胸を抉った川とノリオの結末へと急展開します。ある晴れた日、川で遊んでいたノリオの頭上を、低空飛行する米軍戦闘機(グラマン)の轟音が襲いました。激しい機銃掃射の轟音の中、ノリオは身を守るために、自分が最も信頼していた川の底深くへと潜り込みます。

「川の中にいれば安全だ」という無垢な確信は、無機質な弾丸によって一瞬で打ち砕かれます。川底深く潜ったノリオが再び水面に顔を出すことはありませんでした。澄み切った水面にぽっかりと広がっていく鮮紅の血の輪。それまでノリオを優しく抱きとめていたはずの川は、少年の命を吸い込みながら、何事もなかったかのようにさらさらと下流へと流れ続けていくのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。