本来、日本国内で運用されている電気通信番号計画において、「1」単体の電話番号が個人や一般企業に割り当てられることは制度上あり得ません。それにもかかわらず、端末のディスプレイに「1」と表示される背景には、主に2つの技術的要因が存在します。
第1の要因は、インターネット回線を経由して通話を中継するVoIP(Voice over IP)システムを悪用した発信者番号偽装(スプーフィング技術)です。海外の一部の悪質な通信プロバイダやダークウェブ上で流通する通話発信ソフトを利用すると、発信者は受話側の画面に表示させる電話番号を自由自在に改ざんできてしまいます。詐欺グループが機械的なランダム発信を行う際、設定ミスやあえて目立たせる目的で「1」という数字を指定して送出しているケースが確認されています。
第2の要因として指摘されているのが、アメリカやカナダなど北米電話番号計画(NANPA)に属する国番号「+1」の処理バグです。海外中継局を経由して日本の通信キャリア網にデータが渡る際、本来続くはずのエリアコードや加入者番号が欠落したまま、国番号の「1」だけが端末側に引き渡されてしまう現象です。いずれのケースにおいても、正規の安全な通信ではなく、発信元を偽装・隠蔽した不審な回線から届いているという事実に変わりはありません。