夜の帳が下りる頃、ネオン看板の明かりがアスファルトの濡れた路面に照り返す。昭和の高度経済成長期からバブル期にかけて建設された多用途ビル特有の重厚な佇まいは、周囲に建ち並ぶ真新しいタワーマンションや賃貸ハイツと鮮やかな対比をなしている。エレベーターを上がると、薄暗い廊下には創業数十年を誇る老舗店舗と、最近入居したばかりの若いオーナーによるカルチャースペースが隣り合わせに並ぶ。まさに時代と時代が交差するグラデーションがそこにある。
高度経済成長の熱気をそのまま閉じ込めたかのようなコンクリートの質感。一歩足を踏み入れれば、ミナミの喧騒とは一線を画す、どこか退廃的でありながら温かみのある空気が漂う。