日本国内でレーシックの安全性が激しく疑問視される契機となったのが、2008年から2009年にかけて発生した「銀座眼科」での集団感染症事故です。この事故では、施術を受けた患者67名が重い感染性角膜炎を発症し、角膜混濁などの重い障害を残す被害者を出しました。
捜査の結果、執刀医が手術器具の滅菌消毒を怠り、機器を複数患者の間で使い回すなど、信じがたい衛生管理の不備が原因であったことが判明し、元院長には実刑判決が下されました。つまり、レーシックという術式自体の欠陥ではなく、クリニック側のモラル崩壊と感染対策の不備が引き起こした人災だったのです。
この痛ましい事故を受け、日本眼科学会は屈折矯正手術のガイドラインを大幅に改訂しました。手術施設の衛生基準の厳格化、執刀医の要件強化、過剰な価格競争や誇大広告の抑制などが行われ、現在の正規医療機関における衛生レベルは格段に引き上げられています。