異例のプロジェクトが動き出した発端は、2015年4月1日のエイプリルフールでした。もともと少年時代から冨樫義博作品の熱烈なファンだった石田スイ先生が、自身のTwitter(現X)に「ヒソカの過去編を描かせていただくことになりました」というジョークとともに、ヒソカのイラストを投稿したのです。
ファンアートとしての完成度の高さと熱量にSNSは大いに沸き立ちましたが、驚くべきはここからでした。この投稿を見た集英社の編集部、そして冨樫義博先生本人が反応し、「本当にヒソカの読切を描いてみないか」という公式オファーへと発展したのです。
石田先生は多忙な連載スケジュールの合間を縫い、ヒソカの少年時代を緻密に構成した全69ページに及ぶ完成版ネーム(下描き原稿)を執筆。2016年6月、ウェブマンガ配信サービス『少年ジャンプ+』にて特別公開され、漫画界に大きな衝撃を与えました。