幼児の捜索において、生存率は時間の経過とともに劇的に低下します。一般に災害時などで言われる「72時間の壁」は、幼児の行方不明事案においても極めてシビアな分岐点です。
幼児は成人よりも体重あたりの体表面積が広く、体温調節機能が未熟なため、夏場は熱中症と脱水症状、春・秋・冬の夜間は低体温症のリスクが跳ね上がります。水分を一切摂取できない環境下では、24時間を経過した段階で急速に体力が消耗し、自力で声を出すことも立ち上がることも困難になります。
そして、最も警戒すべきリスクが「水辺」への接近です。警察庁の事故統計においても、幼児の迷子が死亡事故につながる原因の約7割以上が溺水によるものです。水面がキラキラ光る様子に引き寄せられた幼児は、頭部が重くバランスを崩しやすいため、水深わずか10〜20cmのため池や側溝、農業用水路であっても前のめりに転落し、自力で起き上がれず命を落とす危険に直面します。