急な高熱と胸痛は危険?大葉性肺炎の症状・気管支肺炎との違いと治療法

急な高熱と胸痛は危険?大葉性肺炎の症状・気管支肺炎との違いと治療法

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呼吸器診療の現場において、細菌性肺炎は病変の広がり方と解剖学的な分布によって大きく「大葉性肺炎」と「気管支肺炎」に分類されます。人間の肺は右肺が3つの区画(上葉・中葉・下葉)、左肺が2つの区画(上葉・下葉)という「肺葉」に分かれていますが、この肺葉の単位で炎症が面的に広がる病態こそが大葉性肺炎です。

日本呼吸器学会などの臨床ガイドラインおよび画像診断の知見によると、大葉性肺炎は末梢の肺胞腔内に病原体が侵入し、生体の防御反応として大量の滲出液が産生されることから始まります。この滲出液が肺胞同士をつなぐ微小な連絡路である「Kohn孔(コーンこう)」や「Lambert管(ランバートかん)」を通じて、気管支の壁を壊すことなく隣接する肺胞へ津波のように波及します。その結果、ひとつの肺葉全体がすき間なく炎症で満たされる「非区域性コンソリデーション」を形成する点が病理学的な特徴です。

これに対し、気管支肺炎(小葉性肺炎)は気管支の壁から周囲の肺組織へと炎症が散布状に広がるため、両肺のあちこちに斑状・粒状の影が多発します。日常臨床における両者の違いを以下の比較表に整理しました。

項目大葉性肺炎(肺胞性肺炎)気管支肺炎(小葉性肺炎)臨床上の着眼点・評価主な病変部位肺胞腔内(肺葉単位で連続性に拡大)細気管支および周囲の肺胞(散在性)大葉性は解剖学的境界(葉間胸膜)で影が止まる代表的な原因菌肺炎球菌、クレブシエラ(肺炎桿菌)黄色ブドウ球菌、インフルエンザ菌、緑膿菌大葉性は市中肺炎の肺炎球菌が圧倒的多数発症様式と症状急激な悪寒・39℃以上の高熱・胸膜痛緩徐〜亜急性の発熱・激しい咳・膿性痰大葉性は「数時間前まで元気だった」急変が多い特徴的な痰の性状鉄錆色痰(赤褐色・レンガ色)黄色〜緑色の粘稠な膿性痰肺胞内出血と炎症細胞の混在を示す重要サイン画像診断(X線・CT)均一な高濃度浸潤影+気管支透亮像不均一な小結節影・斑状影・気管支壁肥厚大葉性は血管が見えなくなるほど真っ白に映る
高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。