社会学や組織マネジメントの知見から見ると、重大なインシデントを経験した医療機関は、再発防止のために「過剰なまでの二重三重の安全確認(高信頼性組織の構築)」へと舵を切る傾向があります。現在の千葉県がんセンターは、まさにそのフェーズを経て成熟した組織体制にあります。過去の報道だけを理由に受診の選択肢から外すのは、優れた高度専門医療を受ける機会を自ら放棄することになりかねません。
一方で、医療機関にはそれぞれの役割分担が存在します。誰にとっても100点満点の病院というものは存在しないからこそ、自身のニーズと病院の機能がマッチしているかを見極める視点が不可欠です。
受診を強くおすすめできる人
- 標準治療からゲノム医療まで網羅した集学的治療を望む人:多診療科のカンファレンスによって科学的根拠に基づいた最適解を得たいケース。
- 希少がんや高難度手術を要する病状の人:サルコーマセンターなど、一般病院では症例数の少ないがんに対して高い専門性を求める場合。
- 緩和ケアや心理的支援を含めたトータルケアを重視する人:「心と体総合支援センター」などの支援リソースをフルに活用したい患者および家族。
受診にあたって慎重な検討が必要な人
- 外来での迅速さや待ち時間の短さを最優先したい人:予約制であっても診察や検査に長い時間を要するため、タイトなスケジュールでの通院を求める人にはストレスとなる可能性があります。
- 駅から徒歩圏内の利便性を求める人:駅直結型の大規模病院とは異なり、仁戸名エリアはバスまたは自家用車でのアクセスが前提となります。自力通院の身体的負担を考慮する必要があります。
- 初期段階の軽い健康不安で受診したい人:同院は高度がん医療を提供する特定機能病院に準ずる拠点であるため、スクリーニング検査は地域のかかりつけ医や検診センターを利用することが望ましいです。