キャッシュレス決済としての実質的な損得を左右するのが、各社が展開するポイントプログラムとモバイルアプリの連携仕様です。
1. JRE POINTとWESTERポイントの付与構造の違い
Suicaを利用して貯まる「JRE POINT」は、JR東日本の在来線乗車やSuicaグリーン券の購入、駅ビル(アトレ、エキュート等)での買い物で威力を発揮します。特にモバイルSuicaでJR東日本の鉄道に乗車すると、50円ごとに1ポイント(2.0%還元)という高還元率が適用されます(カードタイプSuicaの場合は200円ごとに1ポイント=0.5%還元)。
対するICOCAの「WESTERポイント」は、JR西日本エリアでの利用に特化しています。同エリア内で同一運賃区間を同月内に11回以上乗車した際に付与される利用回数ポイントや、時間帯指定ポイント(昼間特割の代替制度)など、西日本独自の乗車割引メカニズムを持ちます。さらに、モバイルICOCAに公式クレジットカード「J-WESTカード」を紐付けてチャージや定期券購入を行うと、最大3%相当のWESTERポイントが還元されるキャンペーンや常設優遇が存在し、西日本在住者の還元効率は極めて高くなります。
2. Apple Pay・ウォレット内での併用とエクスプレスカード設定
iPhoneやApple Watchを利用しているユーザーであれば、Appleウォレット内に「モバイルSuica」と「モバイルICOCA」を同時に複数枚発行・登録して併用することが可能です。
ここで重要となるのが「エクスプレスカード」の設定です。Face IDやTouch IDの生体認証なしに改札機にかざすだけで反応するカードは1枚しか指定できません。普段関東に住んでいる間はモバイルSuicaをエクスプレスカードに指定しておき、関西へ出張・帰省する期間だけモバイルICOCAをエクスプレスカードに切り替えるといった運用を行えば、どちらのエリアでも認証の手間なく快適に改札を通過できます。