ここ数年でギア選びの価値観を根本から変えたのが、北米のロングトレイルカルチャーから波及したウルトラライトハイキング(Ultralight Backpacking)の思想だ。ベースウェイトを極限まで削ぎ落とす考え方は、かつてパタゴニアの創業者であるイヴォン・シュイナード(Yvon Chouinard)らが提唱した「シンプルかつ機能的」なクライミング哲学とも深く共鳴している。
この潮流を受け、世界的なアウトドアギア産業(Outdoor Gear Industry)全体がフレームレス設計やダイニーマ、Ultraファブリックといった新世代の高耐久・超軽量素材の採用へと大きく舵を切った。50Lでありながら本体重量が1kgを切るモデルが相次いで登場し、従来の重厚長大なザックとの境界線はよりグラデーションを増している。