自閉スペクトラム症の特性を持つ2歳児には、特有の身体的動作やこだわり行動が見られることがあります。これらは決して本人のわがままではなく、感覚や認識の偏りから生じる自然な反応です。
大人の手を使う「クレーン現象」
欲しいものがあるとき、言葉や指差しで要求するのではなく、大人の手首をつかんで目的の物へ直接持っていく行動を「クレーン現象」と呼びます。相手を意志を持った人間としてではなく、目的を達成するための「道具」のように使ってしまう状態を指し、2歳児の初期サインとして広く知られています。
つま先歩き・ミニカーのタイヤ回しなどの常同行動
足の裏全体をつけずにピョンピョンとつま先立ちで歩き続ける、ミニカーを走らせずにひっくり返してタイヤだけを何十分も回し続ける、物を一直線に並べることに異常に執着するといった行動です。特定の刺激に強い心地よさを感じている状態です。
こだわり行動の破綻と激しいかんしゃく・パニック
散歩のルートがいつもと違う、靴を履く順番が変わったといった日常のわずかな変化に対し、泣き叫んで床に転がるような激しいかんしゃくやパニックを起こすことがあります。2歳児のイヤイヤ期との違いは、なだめたり気をそらしたりしても切り替えが極めて難しく、何時間も発作的に泣き続ける点にあります。予測不能な事態に対する強い不安や、音・光・肌触りに対する感覚過敏が原因となっている場合が少なくありません。