ネット上の情報や体験談をうのみにし、誤った判断で状況をさらに悪化させてしまうケースが目立ちます。特に50代が注意すべき典型的な罠は「退職金による一括完済計画」と「個人再生における退職金見込額の計上ルール」です。
「退職金で借金を一括返済すればいい」という危険な幻想
「定年時に出る退職金で住宅ローンやカードローンを一括清算すれば帳尻が合う」と先送りするのは最も危険な思考パターンです。近年の企業における退職金水準は減少傾向にあり、業績変動や早期退職制度の適用によって想定額を大きく下回るリスクがあります。万が一、退職金の全額を借金返済で失えば、その後に残るのは「貯金ゼロ・手取り月額十数万円の年金」だけであり、即座に老後破産へと転落します。
個人再生における「退職金見込額」の算入ルール
持ち家を守りながら負債を大幅に圧縮できる「個人再生(小規模個人再生)」は50代にとって強力な救済策ですが、清算価値保障原則に注意が必要です。裁判所の手続きにおいて、勤続年数が長く退職金見込額が大きい50代の場合、「現時点で自己都合退職した場合の支給額の8分の1(すでに退職間近なら4分の1)」が本人の財産価値として算出されます。この資産評価額が借金圧縮後の基準額を上回ると、弁済しなければならない金額が引き上げられる盲点が存在します。