「背骨に太い針を突き刺す」というイメージから、激痛を想像してパニックに近い緊張を抱く患者は少なくありません。しかし結論から言えば、検査は入念な局所麻酔を施した上で実施されます。皮膚や皮下組織、靭帯に至る経路へ細い注射針でキシロカインなどの麻酔薬を浸潤させるため、処置そのものの鋭利な痛みを無麻酔で耐え忍ぶような事態は現代の医療体制においてあり得ません。
麻酔科医や脳神経内科医が担当する臨床現場の記録、そして実際に検査を受けた患者の手記を精査すると、痛みの本質について共通した証言が浮かび上がってきます。
「歯医者の麻酔注射と同じで、最初にチクッと刺される局所麻酔が一番痛かった。その後の本番の穿刺針は、奥をぐーっと指で強く押されているような重い圧迫感があるだけで、鋭い痛みは感じなかった」
患者が語る体験談の多くは、激痛そのものよりも「得体の知れない鈍い響き」や「心理的な恐怖感」に起因しています。穿刺針が神経根の近傍を通過する際、電気が走るような放散痛(ピリッとした違和感)が腰やお尻、下肢に走ることがありますが、これは針先が神経の至近を通った一過性の刺激です。医師へ「今、右足に電気が走りました」と声を出して伝えることで、針の角度や深度が即座にミリ単位で微調整されます。