なぜ爆売れ?京都水族館オオサンショウウオぬいぐるみの真相と再販事情

なぜ爆売れ?京都水族館オオサンショウウオぬいぐるみの真相と再販事情

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京都水族館の出口付近に位置するミュージアムショップに足を踏み入れると、視界を埋め尽くすように積み上げられた緑褐色の山に圧倒されます。山積みにされた無数のオオサンショウウオたちが、どこか虚無感を漂わせるつぶらな瞳で来館者を見つめ返してくる光景は、館内随一のフォトスポットとしても定着しています。京都水族館限定お土産グッズの枠を優に超え、オオサンショウウオぬいぐるみ人気の理由として第一に挙げられるのは、徹底して計算された造形の妙です。

実物のオオサンショウウオは決して万人受けする愛らしさを持つ生き物ではありません。しかし、水族館の企画開発担当者が幾度もの試作を重ねて生み出した本製品は、口角がわずかに上がったような穏やかな口元、指の付き方や前足・後ろ足のフォルムにいたるまで、実物の生態への敬意を払いつつ絶妙なデフォルメが施されています。美術評論やキャラクターデザインの文脈において「アグリー・キュート(奇妙ゆえの可愛らしさ)」と呼ばれる心理的フックが緻密に埋め込まれているのです。

さらに、購入者を虜にする最大の要因が「抱き心地」です。中綿の密度が部位ごとに絶妙に調整されており、持ち上げた際に適度な重量感とシナリが生まれます。膝の上に置いたときの沈み込み具合や、ベッドで抱き枕として抱きしめたときの吸い付くようなフィット感は、一般的な動物ぬいぐるみとは一線を画す体験を提供しています。現場で実物に触れた来館者が、当初は買うつもりがなかったにもかかわらずレジへと向かってしまう現象は、この手触りと重量バランスの魔力によるものです。

小林 直樹
著者

小林 直樹

シンプルで洗練された住まいづくりとインテリアコーディネートのアイデアを提案しています。