田口淳之介の俳優としての実力を語る上で絶対に外せないのが、フジテレビ系の大ヒットシリーズ『リーガル・ハイ』における加賀蘭丸役です。脚本家・古沢良太氏が手掛ける緻密かつハイテンポな会話劇の中で、彼は極めて重要なピースとして機能していました。
蘭丸は、普段は古美門の事務所で優雅にご馳走を食べながら報酬(経費)を受け取る謎の青年。しかし裏では、ターゲットに巧みに取り入る変装・潜入調査を完璧にこなす凄腕スパイという二面性を持っています。
放送当時、視聴者やドラマ批評家の間で田口淳之介の演技力の評判が急上昇したポイントは以下の通りです。
- 台詞に頼らない「空気の支配力」:言葉数は多くないものの、視線の配り方や立ち居振る舞いだけで「裏の仕事人」としての説得力を構築。
- 堺雅人・里見浩太朗との極上のアンサンブル:名優たちと肩を並べても決して引けを取らない軽妙な掛け合いと間(ま)の良さ。
- 変幻自在のカメレオンぶり:ホスト、作業員、オタク風青年など、潜入先ごとにまったく異なる人物像を自然体で演じ分ける器用さ。
物語のコミカルなテンポを崩さず、要所でサスペンスフルな引き締め役を果たす彼の芝居は、作品の完成度を一段引き上げる原動力となっていました。