長く冷え切っていたふたりの関係に変化が訪れたのは、祐実さん自身が母となり、人生の酸いも甘いも噛み分けるようになってからのことでした。自身も子育てを経験するなかで、「完璧な親など存在しない」という現実に直面し、母・有里さんの当時の苦悩や弱さを客観視できるようになったといいます。
また、祐実さんが長年所属した大手事務所から独立し、自らの足でキャリアを歩み始めたことも大きな転機となりました。母の手を完全に離れ、自己責任で生きる覚悟が決まったことで、過去のトラウマに囚われる必要がなくなったのです。
テレビ番組での共演を果たした際、有里さんは過去の強引な振る舞いを反省する言葉を口にし、祐実さんもまた母の奔放な個性をユーモアを交えて受け流す姿を見せました。「親子の絆」という美名で縛り合うのをやめ、「個性的なひとりの人間同士」として認め合うこと。それこそが、ふたりが長い年月をかけて辿り着いた和解の答えでした。