ネット上やSNSでは「徳島は競合他社が強すぎるから出店しない」「採算が合わないと判断されているのではないか」といった様々な憶測が飛び交っています。しかし、飲食チェーンの店舗開発や流通ロジスティクスを専門的に分析すると、より構造的な3つの要因が浮かび上がってきます。
1. 物流サプライチェーン(食材配送網)の効率とコストの壁
バーガーキングの強みである大型の直火焼きパティや特製バンズ、新鮮な野菜類を安定供給するためには、中継となる配送デポ(物流拠点)からの効率的なルート確保が不可欠です。関西圏の主要マザーセンターから明石海峡大橋・大鳴門橋を経由して配送する場合、高額な高速料金と輸送コストが発生します。四国島内に十分な店舗数がまとまって存在しない段階で徳島に単独出店すると、1店舗あたりの配送コストが跳ね上がり、利益率を圧迫するリスクがあります。
2. エリア集中を優先する「ドミナント戦略」の影響
外食チェーンが地方へ進出する際、ブランド認知の向上と配送効率化を狙って特定エリアへ集中的に連続出店する「ドミナント戦略」が定石です。四国においては、人口規模や商圏の広がりから香川県(高松都市圏)および愛媛県(松山都市圏)が先行エリアに選定されました。近隣店舗同士でプロモーション効果や運営リソースを共有できる体制が整うまでは、未開拓エリアへの飛び地出店が見送られやすい傾向にあります。
3. 車社会に適したロードサイド用地とモール側条件の不一致
徳島県は全国有数の自動車保有率を誇る典型的な車社会であり、外食チェーンの成否は「広い駐車場とドライブスルー設備を備えた幹線道路沿い物件」を確保できるかに直結します。しかし、国道11号や国道55号などの好立地は既存の大手ハンバーガーチェーンやカフェチェーンが長年押さえており、空き物件の確保が極めて困難です。また、商業施設内のフードコート出店に関しても、排気ダクト設備(直火焼きブロイラー専用の強力な換気設備)の導入条件が合致しないケースがあります。