王騎というキャラクターを語る上で欠かせないのが、原作で描写される「ンフフフ」「ココココ」という特徴的な笑い方と、妖艶でありながら地響きのように響く声です。漫画の擬音を実写でそのまま演じれば、一歩間違えればギャグやコントになりかねない危険な要素でした。
シネマトゥデイなどの公式インタビューにおいて、大沢たかおは「漫画の文字をそのまま真似るのではなく、王騎という男の器の大きさ、余裕、そして戦場で生きてきた凄みを声のトーンに乗せる作業を繰り返した」と振り返っています。声帯の使い方から息の抜き方まで徹底的に研究し、喉の奥から響かせる低音ボイスをベースにしながら、不気味さと気品を絶妙なバランスで両立させました。
また、撮影現場でのアクション秘話も見逃せません。劇中で王騎が振るう大矛は、リアリティを追求するために実際の金属や重量感を持たせた特注仕様で、約30kg近い重量がありました。これを馬上から片手で悠然と掲げ、敵兵をなぎ倒すアクションを成立させるため、大沢は手首や前腕の筋力トレーニングも徹底的に行いました。CG処理に頼らない「本物の重さ」が画面越しに伝わったからこそ、信(山﨑賢人)や騰(要潤)との掛け合いにも圧倒的な緊張感が生まれたのです。