物語は1980年代、同性愛に対する社会的な偏見が根強かったバンコクから幕を開けます。互いを深く愛し合いながらも、厳格な父親たちによって引き裂かれたコーンとイン。絶望したコーンは自ら命を絶ち、後を追うようにインも引き金を引きます。二人の葬儀の場で、悲嘆に暮れたコーンの父親は、来世で再び巡り会えることを願い、二人の小指に伝統的な赤い糸を結びつけました。
それから約30年の時を経て、大学のキャンパスで見つめ合った瞬間、パームとディーンは激しい胸の衝動とデジャヴに襲われます。初対面のはずなのに、なぜか懐かしく、涙が溢れて止まらない——。惹かれ合う二人は、前世の記憶の断片に苦しみながらも、手作りのタイ伝統菓子(ルークチュップやトンヨートなど)を通じて心を通わせ、失われた愛のピースを一つずつ埋め戻していきます。単なる甘い恋愛劇にとどまらず、トラウマを抱えた若者たちが自らのアイデンティティと向き合う成長劇としての側面が、本作の大きな見どころです。