長年の下積みを経て、小林さんの俳優人生に決定的な転機が訪れます。それが1978年に公開された倉本聰脚本、降旗康男監督の名作映画『冬の華』でした。この作品で小林さんは、高倉さん演じる主人公の舎弟・南朋介役に大抜擢されます。
実はこのキャスティングの背景には、高倉さんの強い推薦がありました。高倉さんは監督やプロデューサーに対し、「稔侍を使ってやってほしい」と直接頼み込むのではなく、制作陣の目にとまるよう自然な形で小林さんの実力をアピールしたと伝えられています。恩人の期待に応えるべく魂の演技を見せた小林さんは、映画関係者から高い評価を受け、これを機にバイプレイヤーとしてのオファーが急増することになりました。