富良野の観光史を語るうえで、ランドマークとして君臨し続ける「新富良野プリンスホテル」の存在を外すことはできない。広大な敷地内には豊かな原生林が広がり、作家・倉本聰氏が手掛けた国民的ドラマ『北の国から』をはじめとする数々の名作ドラマの世界観が今も色濃く息づいている。
敷地内を歩けば、季節の草花が咲き乱れる「風のガーデン」や、ドラマ『優しい時間』の舞台となった喫茶「森の時計」が旅人を静かに迎え入れる。カウンターで自らコーヒー豆をミルで挽き、静謐な森を眺めながら香り高い一杯を味わう時間は、富良野を訪れる旅人にとって代えがたい体験だ。歴史ある名門でありながら、近年は温泉大浴場やウェルネスプログラムの拡充など、現代の旅人が求めるコンフォートな進化を怠らない姿勢が、世代を超えたリピーターを惹きつけてやまない。