海産物を生食するうえで近年とりわけ警戒されているのが寄生虫「アニサキス」のリスクです。インターネット上では「カレイのえんがわには寄生虫が多いのではないか」という憶測が飛び交うことがあります。
水産業界の衛生管理基準および厚生労働省の指針に基づけば、この懸念は流通の仕組みを理解することで解消されます。回転寿司チェーン等で使用されるカラスガレイやオヒョウのえんがわは、海外の現地加工船または漁獲直後の加工場において、マイナス20度以下で24時間以上(多くはマイナス30度以下で数日間)の完全急速冷凍が施されます。この超低温冷凍プロセスによって、仮にアニサキスが存在していたとしても完全に死滅します。
むしろ注意が必要なのは、冷凍工程を経ずに産地直送で流通する近海天然ヒラメの生のえんがわです。信頼できる職人の目視選別や適切な調理処理が行われていない生鮮品を扱う場合の方が、家庭での調理などにおいては寄生虫リスクへの警戒が求められます。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
食の嗜好と健康状態に応じて、えんがわ寿司との賢い付き合い方を整理します。
【えんがわを積極的に選んでよい人】
・口どけの良い濃厚な脂の甘みと弾力を手頃な価格で満喫したい人
・美肌維持や関節ケアのために良質な海洋性コラーゲンを摂取したい人
・糖質を抑えつつ、EPA・DHAなどの良質な脂質を摂取したい人
【摂取量に注意・慎重になるべき人】
・脂質異常症や胆石の既往があり、一食あたりの脂質量を制限されている人
・カロリーコントロールを中心とした減量に取り組んでいる人
・魚本来の上品で淡白な白身の繊細な風味を求めている人(本ヒラメの選択を推奨)