人権はなぜ制限されるのか?公共の福祉の正体を具体例と判例で解剖

人権はなぜ制限されるのか?公共の福祉の正体を具体例と判例で解剖

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法学の世界では、この「公共の福祉」によって人権がどう制限されるのかを巡り、激しい議論が交わされてきました。その歴史を振り返ると、憲法に対する社会の捉え方の変化が見えてきます。

戦後初期に有力だったのが「一元的外在制約説」です。この立場では、公共の福祉を「社会全体の利益」という人権の外側にある上位の価値と見なし、社会秩序の維持のためなら国はあらゆる人権を外部から一律に制約できると考えました。しかし、この考え方には「お国のため」という名目で戦前の軍国主義のように個人の自由が無制限に奪われかねないという致命的な危うさがありました。

そこで現在、通説となっているのが「内在的制約説」です。人権は生まれながらに無限の自由を持つわけではなく、「他人の人権を侵害してはならない」という制約が最初から内包されているとする考え方です。現代の解釈では、外から国家が力づくで抑え込む「外在的制約」ではなく、互いの権利を等しく守るための「人権相互の矛盾調整」として公共の福祉を厳格に定義しています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。