大手予備校が公表している東大・難関大・共通テスト模試の過去データ(2024年〜2026年実施分)によると、高校古典における「鴻門の会」関連設問の中で、文法・句法識別問題の正答率は約48.3%にとどまり、受験生が失点しやすい難所となっています。特に「頭髪上指す」とその前後の表現には、定期テストや入試で狙われやすいポイントが集中しています。
第1の重要ポイントは、「上」の品詞と文法解釈(句法)です。「上」という漢字は通常「うえ」という名詞や位置を表しますが、この文脈脈節脈では動詞「指(さ)す」を修飾する連用修飾語、すなわち副詞的用法として機能しています。「上に」「天に向かって」と訳出することが求められ、品詞識別問題で「名詞」と誤答するパターンが毎年多発します。
第2のポイントは、対をなす語句である「目眦尽裂(もくしことごとくさく)」の意味と構造です。「眦(まなじり)」は目じりを指し、「尽」は「すべて・完全に・ことごとく」という意味の副詞です。激しい怒りによって限界まで目を見開いた状態を強調する誇張表現であり、記述試験では「樊噲の凄まじい怒りと気迫の形容」と端的に答えることが求められます。
第3のポイントは、樊噲が怒っている直接の理由の記述です。「項荘が剣を舞わせて主君の劉邦を殺そうとしていたから」という表面的な状況だけでなく、「秦を倒した最大の功労者である劉邦に対し、項羽陣営が信義を裏切って不当に謀殺しようとしたことへの義憤」という政治的・道義的背景まで言及することで、記述採点における満点基準を満たすことができます。