「変化の割合なんて、受験が終われば役に立たないのではないか」と感じるかもしれません。しかし、高校数学の山場である「微分(数学II・数学III)」を理解するためのコアエンジンこそが、この変化の割合です。
高校数学では、変化の割合を「平均変化率」と言い換えます。ある区間における大まかな変化の割合を求めた後、$x$ の増加量(区間の幅)を極限までゼロに近づけていく操作を行います。すると、2点を結んでいた直線が、やがて放物線上の「ある1点における接線」へと収束していきます。これこそが「微分係数(瞬間変化率)」です。
車で例えるならば、変化の割合が「東京から名古屋まで移動した際の平均時速(距離 $\div$ 時間)」であるのに対し、微分とは「運転席のスピードメーターが今この瞬間に指している時速」を割り出す作業に相当します。中学2年・3年で変化の割合の本質を直感的に掴んでいる生徒は、高校の数IIで微分を学んだ際に「なんだ、中学校でやった変化の割合の幅を極限まで縮めただけか」とすんなり理解できる構造になっているのです。