インターネットが登場する前、マタニティフォトは現像したアルバムに収められ、家族や親しい親戚の間だけで共有されるものだった。その境界線が、スマートフォンの普及とSNSの台頭によって完全に崩壊した。
「身内ノリ」のコンテンツが、不特定多数の目に触れるパブリックな場に流出する。このズレこそが、多くの違和感の源泉だ。発信側は「友達に見せたい」という軽い気持ちであっても、受信側は「なぜ見知らぬ他人の妊婦姿を見なければならないのか」という不快感を抱く。このコミュニケーションのすれ違いは、プラットフォームの設計自体が抱える欠陥でもある。