彼の恐ろしさは、その歪んだ精神に「絶対的な力」が伴っている点にある。権能『獅子の心臓(小さき王)』は、自身や触れた物体の時間を停止させるという、文字通りのチート能力だ。彼に攻撃は届かない。あらゆる物理的干渉、魔法、剣技が無効化され、傷一つ負わせることはできない。一方で、彼が投げつける一粒の砂、一息の吐息すらも、時間を止められた不可逆の質量となって敵を穿つ。
攻防ともに完全無欠。相手がどれほどの英雄であれ、彼の前では概念ごとすり潰される。この「理不尽の壁」が絶望感を爆発させる。しかし、その無敵の裏にはあまりに醜悪なカラクリが隠されていた。自分の心臓を他者の胸に預けるという、他者を文字通り道具として使い潰す極致の保身術だ。