もちろん、ここまでの道のりは平坦ではなかった。公開当初、深夜の騒音やゴミのポイ捨て、私有地への無断立ち入りといった「観光公害(オーバーツーリズム)」が地域住民の生活を脅かした時期もある。
しかし、四谷や飛騨の住民たちは排除の道を選ばなかった。ボランティアによる定期的な清掃活動や、多言語でのマナー啓発看板の設置、さらには混雑状況をリアルタイムで配信するシステムの導入など、10年間をかけてファンと住民が共存できるルールを構築してきた。この「聖地を守る」という共通の意思が、ブームを文化へと昇華させた最大の要因と言えるだろう。