1970年代初頭の日本のファンシーグッズ業界は、海外の既存キャラクターをライセンス調達するのが主流だった。オリジナルキャラクターでヒットを生み出す試みは、極めてリスクが高いと考えられていた時代である。
その常識を打ち破ったのが、プチパースと呼ばれるわずか数百円のビニール製小銭入れだった。小さな白い子猫のデザインが店頭に並ぶやいなや、小学生を中心とする少女たちの間で瞬く間に話題を呼んだ。日常使いの身近な雑貨に「心ときめく情緒的価値」を付与する手法は、文具や雑貨ビジネスの構造そのものを根底から書き換えてしまった。