「ウタカタララバイ」というタイトルが示す通り、この曲は「泡沫(消え去る儚いもの)」であり「ララバイ(子守唄)」だ。だが、聞こえてくるのは安らぎの歌ではない。現実の苦痛から人々を遮断し、永遠の夢の中に閉じ込めようとする、映画の登場人物「ウタ」の過激で歪んだ救済願望そのものである。
歌詞の前半で見せる甘く心地よい誘い文句。しかし曲が進むにつれ、その仮面は剥がれ落ちる。「現実を見たくないなら、ここでずっと眠っていればいい」という独善的な愛。押し付けがましい「幸せ」の強制。この二面性こそが、楽曲に恐ろしいほどの立体感を与えている。優しさと狂気が裏表一体となった世界観は、現実逃避を望む現代社会のダークサイドを鋭く射抜いている。