単体の聞き取り以外にも、文字の形態や発音の構造に注目することで、機械的に読み分けられる強力な法則が存在します。
第一の原則は送り仮名と訓読みのルールです。漢字のうしろにひらがな(送り仮名)が続く場合、その漢字部分は原則として訓読みになります。「走る(はし-る)」「美しい(うつく-しい)」「明るい(あか-るい)」のように、用言(動詞・形容詞・形容動詞)の語幹となる部分はすべて訓読みです。漢字1文字のテスト問題で送り仮名が振られているものがあれば、迷わず訓読みと判断して差し支えありません。
第二の原則は、音読みにしか現れない音韻のルール(発音の法則)です。古代の日本語には存在しなかった発音構造が音読みには色濃く残っています。
具体的には、読みが2音で終わる際、最後の文字が「ち・つ・く・き・ん・い・う」になるものは、極めて高い確率で音読みです(例:日【ニチ】、月【ゲツ】、学【ガク】、駅【エキ】、本【ホン】、会【カイ】、東【トウ】)。また、「きゃ・きゅ・きょ」「しゃ・しゅ・しょ」といった拗音(小さい『ゃ・ゅ・ょ』)を含む読み(客【キャク】、書【ショ】、略【リャク】など)も、大和言葉には本来なかった音であるため、ほぼ例外なく音読みと断定できます。