異変が表面化したのは2018年冬のことだった。記者会見の場で突如発表された休業宣言。当初は長年のパフォーマンスによる右股関節の悪化が主因と報じられていたが、事態はそれほど単純ではなかった。裏では脳梗塞の発症、そして医療機関での治療を要する「てんかん」の症状に悩まされていたのだ。
突発的な痙攣や意識障害を引き起こすてんかんは、体を酷使する彼にとって致命的な試練だった。意図しないタイミングで体が動かなくなる恐怖。いつ倒れるかわからないという精神的プレッシャー。かつてのように自由自在に体を動かせなくなった現実に、誰よりも苦しんだのは本人にほかならない。脳梗塞による麻痺も重なり、かつてバッグに収まっていたしなやかな肉体は、次第に自由を失っていった。